紹介制度を採用しているレーシッククリニック


紹介制度を採用しているレーシッククリニックブログ:15/05/13


ワールドカップの日本代表を応援するため、
パパがはちまきを買ってきた。

パパはそのはちまきを締め、
ビールを片手にテレビの前を陣取っている。

「こういうのはな、団結が必要なんだ。気持ちで勝負だ。ここに味方がいるぞ!」

あきれるおいらたち家族をそっちのけに
パパは大声で選手と一緒にボールを追っていた。

それを機に孫である、
おいらのむすめの運動会にも
パパははちまき姿で登場した。
周囲のくすくす笑う声もなんのその…

むすめも祖父の必要以上の応援に少し気恥ずかしげに、
もじもじしている様子。

熱い応援も功を奏すことはなく、
徒競走では、思いっきり転んでしまい
結果はびりから二番目だった。

そんな折、
パパの母親である
おいらの祖母が認知症の症状がひどくなり、
施設に入院することとなった。

九十歳に近い祖母は家族の顔はすっかり忘れ、
孫であるおいらのことはもちろん、
自分が産んだむすこのこともおぼろげになっていた。

祖母の入院する施設にパパとおいらで会いに行った。
パパの顔を見ても、恭しくお辞儀をするだけの祖母。

パパは何と声をかけたらよいか迷っているようだった。
無言の時間がどれだけ続いただろう…

パパは自分の汚れたズボンのポケットから
例のはちまきを取り出した。
そして、そっと、祖母の真っ白な頭に巻いてやった。

「気持ちで勝負だよ、母ちゃん。
ここに味方がいるぞ。家族はいつでも母ちゃんの味方なんだよ!」

そう、声をかけるパパの目には涙がにじんでいた。
おいらは後ろで声を押し殺して泣いた。

祖母はやわらかく微笑んで、そのはちまきを触っていた。